見学はするべき? ~オンライン完結の落とし穴~
一昔前、お部屋探しに内見はつきものでした。それがここ数年大きく変わってきています。「内見せずに申し込み、内見しないままお引越しをする」。そんな方が増えています。
背景にあるのは、言うまでもなくお部屋探しのDX化です。IT重説やVR動画、電子契約...等々。コロナ禍もあって、便利なデジタルツールの普及が一気に進みました。スマホやパソコンを通じて手軽にお部屋の様子がわかり、そのまま契約もできるようになりました。とりわけ、遠方のお客様が中心となる学生賃貸業界は相性が良かったと言えるでしょう。関東近辺の方ならいざ知らず、北海道や九州から東京までお部屋探しに来るとなれば、交通費だけで数万円。親子で...、一泊して...となればどんどん費用が掛かってしまいますから。
北園女子学生会館では元々、ご契約時に必ず来館をいただいておりました。つまり、新入館における見学率は100%、"未"見学者の割合は0%だったのです(一部留学生を除きます)。
もちろん、コロナ禍ではそんなわけにいきませんでした。ZOOMを使ったオンライン契約やTHETA360°画像、さらに(館長が慣れない演技を披露している)360°動画も取り入れました。今では約30%の方が、事前見学をしないままお引越しに至るようになりました。会社によっては、むしろ見学しない方のほうが多い会館もあるのではないでしょうか。
その上で、改めて感じることがあります。
「やっぱり、実際の内見に勝るものはなし」
例えば、お部屋の内装は360°画像である程度わかるでしょう。でも、実際の様子はやはりその場にいないとわかりません。日当たりや騒音、臭い、近隣も含めた雰囲気...etc。他社の築浅物件と内見をハシゴした結果、当会館に決めてくださったお客様がいました。お伺いしたところ、「掃除の行き届き方」「部屋の広さ」が決め手となったそうです。確かに、前者はオンラインでは伝えきれません。後者も○㎡という数字だけで判断せず、実際に体感することが大事なのでしょう。
特にソフト面は、管理人が学生と関わる機会の多い学生会館において、お部屋探しの大切なポイントではないでしょうか。
オンラインにはオンラインの良さがあります。ご家庭の事情や進路の決まるタイミングによっては、内見が現実的でないケースもあることでしょう。その上で、できることならやはり実際に一度内見をしていただくのが、失敗のないお部屋探しにつながるものと、我々は考えています。